素晴らしい日本国内の旅

日本という国は自然、文化ともに素晴らしいところです、 そんな日本国内の各所を巡ります、

平成日本紀行(134)由布院 「由布院温泉」(Ⅱ)


九州地方の皆さん、此の度の大震災に謹んでお見舞い申し上げます。
(この記事は震災以前のものです)




  平成日本紀行(134)由布院 「由布院温泉」(Ⅱ) 





由布院市街から由布岳


https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/a/a4/Shitan_yu_gaikan.jpg




https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f5/Yufuin_Onsen_-Mus%C5%8Den_02.jpg
金鱗湖の下ん湯と露天風呂から眺める由布岳





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由布院温泉は奈良期には既に開かれ、鎌倉期から効用のある温泉として広く知られていた由布院であるが、江戸時代になって突如としてただの村人だけの行水(ぎょうずい))の湯になってしまったと言うのである・・?。

16世紀頃までは由布院はキリシタンの里であった。 しかし、江戸期になって、この平和な村にキリシタンの弾圧が襲ってきたのである。 
全村民がキリシタンだったような由布院は、やむなく一部の信者を除いて殆どが改宗してしまったともいう。(今でもその隠れキリシタンの痕跡が墓石などに残っている) 

由布院に対する監視の目は厳しく、キリシタンの疑いを避けるためにも、村人が行水する以外、外部の人は誰も湯治に来なくなっていた。
ここに由布院温泉の陰の歴史が秘められてたのである。

由布院が湯治場として再び活気を帯びるのは明治維新後のことで明治中期、近隣に陸軍の演習場ができ、陸軍のお偉方や兵士たちが旅館や民家に宿泊し、温泉気分を満喫するようになってからである。 
湯布院には今も自衛隊の駐屯地があり、日出生台(ひじゅうだい)演習場(湯布院町玖珠町九重町にまたがる西日本最大の演習場)からは時折、砲撃音が聞こえるという。

由布院には、更に大分-佐賀を結ぶ佐賀県道が開通し、大分-由布院間に鉄道も走るようになった。
そして何処も同じようにこの町も歓楽温泉地と化していこうとしていたのである。 

これを憂いたのが油屋熊八をはじめ、江戸時代からの庄屋たちや医者、外部から訪れた学者たちであった。 
油屋は由布院の名勝宣伝文として「 朝かすみ・四季蛍・山のみどり・木々の紅葉・杉の大木・興禅院・八山地獄・蕨狩り・若宮八幡・六所宮・石松公園・倒映湖・人と魚の混浴・下の湯 」を挙げている。

熊八に案内されてやって来た客人たちは、仙郷・由布院盆地の美しさに感動し、その後も度々自らこの自然の素朴な温泉地を訪れたという。 
客人は、由布院で遊んできたと言うより、由布院で癒してきたと言ったといい、勇壮な姿で由布院盆地を包み込むように聳える由布岳や美しい金鱗湖、そして変わらない純朴な農村風景、町の人々の生活がそのまま由布院の歴史を伝えている。


次回は、「湯平温泉

  
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